OpenID Foundation ADT CG 活動レポート (2025年7月)
執筆日: 2026-04-28(遡及執筆)
1. 概要
Australian Digital Trust Community Group(ADT CG)は、オーストラリアにおけるデジタル ID・デジタルトラストエコシステムを推進するために設置された OpenID Foundation の Community Group である。共同議長は Dima Postnikov、Victoria Richardson、Dave Hyland、Brad Carr、Olaf Grewe の 5 名で、メイン会合は隔週月曜 17:00 AEST(Eastern Australia Time, Sydney)に Zoom で開催される。Trust Framework Analysis(TFA)サブグループも同時間帯に別開催で運用されている。
2025 年 7 月の ADT CG は、Trust Framework Analysis サブグループにおける比較スプレッドシートの土台作りに活動の中心が置かれた月であった。7 月 7 日の TFA 会合では Connect ID・Austroads・TDIF/AGDIS 等のオーストラリア国内スキームをどのように整理するかが検討され、続く 7 月 21 日には OIX(Open Identity Exchange)の Nick Mothershaw および OpenID Foundation の Elizabeth Garber を招いて、OIX が SIDI Hub と共同で進めている 11 グローバルフレームワークの比較分析ツールの Q&A を実施した。同会合は参加者 17 名を集める比較的大きなセッションとなり、ADT CG が独自にゼロから比較作業を始めるのではなく、既存の OIX/SIDI 分析ツールを取り込んで AGDIS とニュージーランドフレームワークのカラムを補強する方向に方針を切り替える転機となった。
メイン会合は 7 月 28 日に開催され、参加者 14 名で Innovation Day(8 月 15 日 Sydney 開催予定)の準備、OIDF Slack 参加に participation agreement の署名を要求するか否か、Department of Finance との対話状況などが議題化された。Innovation Day は当初の age assurance 単独テーマから「identity through life(age assurance、estate planning、delegation、end of life)」のライフサイクル全体テーマへと拡張する判断がここで明確化されている。
メーリングリスト openid-au-digital-trust の 7 月公開投稿は週次インデックスで合計 3 件確認でき、いずれも Dave Hyland と Olaf Grewe による議事録共有・アジェンダ告知である。実質的な議論は Zoom 会合・HackMD 議事録・GitHub リポジトリに集約され、ML は告知チャネルとして機能している運用は前後の月と一貫している。GitHub では nextalias から PR #6 が出され、TrustFrameworkAnalysis/ ディレクトリの構造整理(minutes フォルダ分離、Age Assertion フォルダ作成、README 追加)が 7 月 14 日に Dave によりマージされた。ADT CG リポジトリで実質的な構造刷新が行われた最初の月にあたる。
2. 公開された仕様・ドラフト改訂
ADT CG はコミュニティグループであり、OpenID 技術仕様(RFC 相当の Final / Implementer's Draft)を策定する Working Group ではない。2025 年 7 月の主要な進行中アウトプットは以下の通り:
- Trust Framework Analysis 比較スプレッドシート: OIX が SIDI Hub 向けに作成した 11 フレームワーク(UK DIATF、NIST 800-63、eIDAS 2、Canada DIACC、Singpass、BankID 等)比較ツールを基盤として採用する方針が 7 月 21 日 TFA 会合で固まり、ADT CG 側で AGDIS / TDIF / Connect ID / NZ DISTF 等のオーストラリア・ニュージーランド固有のカラムを補完する分担作業が開始された
- TrustFrameworkAnalysis ディレクトリ構造:
nextaliasによる PR #6(openid/cg-australian-digital-trust#6)が 7 月 14 日にマージされ、TrustFrameworkAnalysis/minutes/への議事録移動、AgeAssertion/リソース分離、README.mdの追加(subgroup の目的・スコープ・隔週月曜 17:00 AEDT 開催の明記)が行われた - TrustFrameworkAnalysis README: 同 PR で追加された README には「Australia の Digital ID フレームワークを eIDAS2、NIST 800-63、UK DIATF、Canada DIACC、Singpass、BankID といった主要グローバル標準と比較する」「日本のデジタル ID 標準への Australia フレームワークマッピングを特定ユースケースとして取り扱う」「成果物は refined comparative analysis and recommendations report」と明記された
2025 年 7 月中に OpenID Foundation 公式仕様としての新規ドラフトリリース・改訂は確認できなかった。ADT CG の成果物は OpenID spec ではなく、政府・業界向けの提言書および分析文書である。
3. ミーティングと議論
2025 年 7 月に開催され議事録が公開された ADT CG 関連ミーティングは以下 3 本(メイン会合 1 本、TFA サブグループ 2 本)。隔週月曜のメイン会合スケジュールに従えば 7 月 14 日にもメイン会合が想定されるが、当該日付の議事録ファイルは GitHub リポジトリ minutes/ ディレクトリに公開されておらず、ML 週次インデックスにも該当週の投稿が存在しないため、開催の有無は本稿執筆に用いた一次情報源からは特定できなかった。
| 日付 | 会議種別 | 参加人数 | 主な議題 |
|---|---|---|---|
| 2025-07-07 | TFA サブ | 9 | Connect ID / Austroads / TDIF/AGDIS の整理、NZ シート進捗 |
| 2025-07-21 | TFA サブ | 17 | Nick Mothershaw・Elizabeth Garber を招いた OIX/SIDI 分析ツール Q&A |
| 2025-07-28 | メイン | 14 | Innovation Day 準備、Slack 参加要件、Department of Finance との対話 |
3.1 7 月 7 日 Trust Framework Analysis サブグループ
参加者(議事録より 9 名): Dima Postnikov、Victoria Richardson、Stefan Charsley、Nat Reed、Derek Munneke、Gareth Narinesingh、Andres Olave、Dave Hyland、Jo Spencer。
主要論点:
- Connect ID / Austroads / TDIF の位置付け: オーストラリア国内のスキームをスプレッドシート上でどう扱うかが議題化。Dima から Connect ID は Rick Iversen に担当割り当て、Austroads(オーストラリア道路運輸局協議会、mDL の運用主体)については Chris に scheme 詳細と参加可否を打診する分担が確認された
- Multi-state driver's license スキームの実装難: 米国・オーストラリアにおける mDL の州横断実装の課題が言及され、技術仕様(mDL の data format)と運用ポリシー(AMVA のような業界団体ガイダンス)の二層構造が話題に上がった
- Open banking とデジタル ID インフラの接続可能性: オーストラリアの Consumer Data Right(open banking 系の制度)とデジタル ID インフラの統合可能性についても議論。詳細な結論には至らず、後続会合への持ち越し
- Modernised accreditation procedure: 既存の認定手続きをより広い business sector の参加に開くための見直しが論点化(後の月における Department of Finance との対話の伏線)
- Select ID の扱い: Gareth から「DIATF の代理として Select ID をスプレッドシートに含めるか」が提起され、評価担当に割り当てられた
アクションアイテム(議事録より抜粋): (1) Nat Reed が TDIF と AGDIS のカバレッジを preliminary review、(2) Stefan が NZ シートのセクションを進める、(3) Dave が line 44 の欠落データを offline で確認、(4) Dima が Rick に Connect ID 担当を通知、(5) Dima が Chris に Austroads scheme と参加可否を打診、(6) Gareth が Select ID と DIATF の扱いを評価、(7) Dave が TDIF カラムをスプレッドシート上で統合。次回 7 月 21 日には Nick Mothershaw と Elizabeth Garber を迎えた OIX/SIDI フレームワーク Q&A を実施することが確認された。
3.2 7 月 21 日 Trust Framework Analysis サブグループ(OIX/SIDI Q&A)
参加者(議事録より 17 名): Dima Postnikov、Victoria Richardson、Stefan Charsley、Nat Reed、Derek Munneke、Gareth Narinesingh、Andres Olave、Dave Hyland、Jo Spencer、Elizabeth Garber、Rick Iversen、Nick Mothershaw、Kate Virgona、Jonathan Foyer、John Scullen、Brad Carr、David Moore。OIX の Nick Mothershaw と OIDF の Elizabeth Garber を外部ゲストとして迎えた拡大セッションで、参加者数は ADT CG の通常 TFA 会合の倍近くに達した。
Nick が SIDI Hub 向けに作成した 11 フレームワーク(UK、US、EU、Canada、Singpass、Sweden の national ID、EU Digital Identity Wallet 等)比較スプレッドシートを画面共有しながらデモンストレーションを行い、ADT CG メンバーからの質問に応答する形式で進行した。
主要論点:
- Framework / Scheme / Specification の用語整理: Nick の整理として「framework は policy レベル(EU 全域のような上位概念)」「scheme は具体的な実装(UK の
One Loginのような個別運用)」「specification は技術標準」と説明され、ADT CG メンバー間でも「schemeの高位定義文書が apples-to-apples 比較に必須」という認識が共有された。Singpass(シンガポール)と Sweden の national identity method を実例として参照しながら、各国がこれらを混在させて使用している点が確認された - Policy vs. Technical Implementation: フレームワークが「上位ガバメントポリシー(オーストラリア TDF のようなもの)」と「技術仕様(Connect ID のような具体実装)」の 2 階層で動く構造が改めて整理された。EU の Architecture Reference Framework は他のフレームワークより prescriptive な技術指示が強いという比較も提示された
- MDL(Mobile Driver License)の位置付け: Nick から「MDL は presentation 標準であり、AMVA(American Association of Motor Vehicle Administrators)のような trust framework が運用ポリシーを定める」と説明。技術標準のみでは完結せず supporting policy が必須という構造が再確認された
- 相互運用性の現実的課題: 「技術標準は存在するが、政府はそれを enforce する prescriptive policy を欠いていることが多い」という Nick の観察に対し、参加者から具体例として「オーストラリアで日本のスキー場ユースケースに対応する場合の cross-border identity verification の複雑性(consent、trust marks、wallet verification の三層)」が議論された
- OIX 比較ツールの ADT 採用: 議論の流れの中で「ADT CG が独自にゼロから比較を作るのではなく、Elizabeth から full version を取得して NZ・AGDIS 等のカラムを補強する」方向に明確に切り替わった。Dave のアクション完了報告("Dave obtained full framework analysis tool from Elizabeth ✓"、"Dave secured correct spreadsheet with all characteristics ✓")として議事録に記録されている
アクションアイテム(議事録より抜粋): (1) Dave が Elizabeth から完全版分析ツールを取得【完了】、(2) Dave が全ての characteristics を含むスプレッドシートを確保【完了】、(3) 適切な分析レベル(use case/sector/scheme)の決定、(4) Dave が frameworks と implementations の layered picture を作成、(5) Victoria が full version をレビュー、(6) Slack を会議間コミュニケーション用途で導入する案の検討、(7) Dave が Nick との normalisation discussion 後続セッションを設定。次回会合は 8 月 4 日。
3.3 7 月 28 日 ADT CG メイン会合
参加者(HackMD 議事録より 14 名): Brad Carr(議長)、Olaf Grewe(議事録)、Linden Dawson、John Scullen、Derek Munneke、Nat Reed、Stefan Charsley、David Hyland、Victoria Richardson、Dima Postnikov、Andres Olave、Gareth Narinesingh、Jo Spencer、Miki Brotzler。なお、当該回の ML 共有メール(後述 §4.3)では Olaf が「Minutes of the CG meeting on 28 June here」と記載しているが、HackMD 本文・参加者構成・「次回 8 月 11 日」の記載・bi-weekly schedule の整合性から、これは 7 月 28 日メイン会合の議事録であることが確認できる(メール本文の "June" は "July" の誤記)。
主要議題:
- Antitrust リマインダーと participation agreement: 議事録冒頭で Antitrust Policy のリマインダーが行われ、Slack への IPR contribution には participation agreement の署名が必要かどうかが論点化。最終的な決定として「OIDF Slack 参加には participation agreement の署名は不要」とされた。本判断は 8 月以降の会合でも繰り返し参照される基準となる
- Innovation Day(2025-08-15、Sydney)の準備: 当初は age assurance 単独テーマで企画されていた Innovation Day を、「identity through life」テーマに拡張し、age assurance、estate planning、delegation、end of life の 4 領域を扱うラウンドテーブル形式で実施する方針が確認された。最大参加人数は 45 名、keynote speaker は当時未確定。Brad より「Department of Finance との対話を継続中」と進捗報告
- Local Events(8〜9 月): Digital Identity New Zealand(2025-08-12, Wellington)、Innovation Day Sydney(2025-08-15)、Digital Financial Services Summit(2025-09-04)が 8 月以降のローカルイベントとして共有された
- Customer advocate コンタクト: Kate Virgona より「Meg Dalling(potential customer advocate)にフォローアップする」とアクション化。ADT CG が業界・政府サイドだけでなく消費者代表の声も取り込む志向の表れ
- README.md でのメーリングリスト案内: GitHub リポジトリの Readme.md にメーリングリスト sign-up 手順が掲載済みであることが告知された(PR #6 の README 整理を受けたもの)
決定事項:
- Slack 参加に participation agreement の署名は要求しない
- Innovation Day は age assurance 重視の枠を維持しつつ、ライフサイクル全体(estate planning・delegation・end of life)に拡張して進行する
アクションアイテム(議事録より抜粋): (1) Kate が Meg Dalling にフォロー、(2) Brad が Department of Finance との対話を継続。次回メイン会合は 8 月 11 日(隔週スケジュール)。
3.4 7 月 14 日メイン会合(記録なし)
隔週月曜のメイン会合スケジュール(直前は 6 月 30 日、直後は 7 月 28 日)から推察すれば 7 月 14 日にメイン会合が予定されていた可能性がある。しかしながら 2025-07-14 付の議事録ファイルは GitHub リポジトリ minutes/ ディレクトリに公開されておらず、ML openid-au-digital-trust の Week-of-Mon-20250714 には David Hyland による「Agenda for ADT Trust Frameworks 21 July 2025」(TFA 用)の 1 件しか投稿がない。当該日の会合の有無・内容は本稿執筆に用いた一次情報源からは特定できなかった。
4. メーリングリストの主要スレッド
openid-au-digital-trust ML の 2025 年 7 月のアーカイブは週次インデックス形式で提供されている。確認できた投稿は計 3 件で、すべて事務局担当者による議事録共有・アジェンダ配布である。技術的議論は ML 上ではなく Zoom 会合・HackMD・GitHub 議事録に集約される運用が継続している。
| アーカイブ週 | 投稿数 | 投稿者 |
|---|---|---|
| Week-of-Mon-20250707 | 1 | David Hyland |
| Week-of-Mon-20250714 | 1 | David Hyland |
| Week-of-Mon-20250721 | 0 | 公開週次インデックスなし |
| Week-of-Mon-20250728 | 1 | Olaf Grewe |
4.1 "Minutes from the Trustramework subgroup" - 2025-07-08 投稿(David Hyland)
7 月 7 日 TFA サブグループ会合の議事録共有。GitHub の TrustFrameworkAnalysis/minutes-2025-07-07.md(PR #6 で minutes/ ディレクトリに移動される前のパス)への直接リンクを掲載し、「次回 7 月 21 日に Nick Mothershaw と Elizabeth Garber を迎えて OIX/SIDI 分析の Q&A を行う」と告知。ファイルパスが旧式(minutes-YYYY-MM-DD.md)である点が、本月の中盤に行われたディレクトリ整理の前後関係を示している。
4.2 "Agenda for ADT Trust Frameworks 21 July 2025" - 2025-07-20 投稿(David Hyland)
7 月 21 日 TFA サブグループのアジェンダ配布。HackMD(https://hackmd.io/@adtcg/SyUIrpt8ee/edit)への共同編集リンクを共有し、Q&A セッションへの参加を呼びかけた。
4.3 "Meeting Minutes" - 2025-07-28 投稿(Olaf Grewe)
7 月 28 日メイン会合の議事録 HackMD(https://hackmd.io/PGxq9KbJQgqu85VDySrmpA)を ML に共有。本文には「Minutes of the CG meeting on 28 June here」と記載されているが、これは "June" の誤記で、リンク先 HackMD ドキュメントのメタデータと「次回 8 月 11 日」の記載から 7 月 28 日メイン会合の議事録であることが特定できる。Olaf は「Grateful to Victoria for saving me from having to rake my brain after my unfortunate hiccup」と述べており、議事録作成にあたって Victoria の支援があったことに言及している。
5. GitHub 上の議論
openid/cg-australian-digital-trust リポジトリにおける 2025 年 7 月のアクティビティ:
- 新規 Issue: 0 件
- 新規 PR: 1 件(#6 "Update minutes-2025-07-07.md"、
nextalias起票、2025-07-08) - マージ済み PR: 1 件(PR #6、2025-07-14 に dphhyland がマージ)
- コミット: 9 件
- 2025-07-08:
Create minutes-2025-07-07.md(dphhyland、初版議事録) - 2025-07-08:
Update minutes-2025-07-07.md(nextalias、参加者リスト整形) - 2025-07-09: 議事録を
minutes/専用フォルダに移動(nextalias、6 commits)move minutes to own folderrename readme file to match conventionmove files to clean up root directory of TrustFrameworkAnalysisMove TrustFrameworkAnalysis april minutesupdate(AgeAssertion): move resources to own folderadd(TrustFrameworkAnalysis): add README for resources
- 2025-07-14:
Merge pull request #6 from nextalias/patch-1(dphhyland)
- 2025-07-08:
5.1 openid/cg-australian-digital-trust#6 - "Update minutes-2025-07-07.md"
7 月 8 日に nextalias(外部コントリビュータ)が提出した PR。タイトルは「Update minutes-2025-07-07.md」だが、実際の変更は当該議事録の整形(参加者リストのフォーマッティング)に留まらず、リポジトリ全体の構造刷新に踏み込んだ。具体的には:
TrustFrameworkAnalysis/直下に散在していた議事録ファイルをTrustFrameworkAnalysis/minutes/サブディレクトリに集約AgeAssertion/関連リソースを独自フォルダに分離- README ファイル名規約の統一
TrustFrameworkAnalysis/README.mdの新規追加(subgroup の目的、対比対象フレームワーク(eIDAS2、NIST 800-63、UK DIATF、Canada DIACC、Singpass、BankID)、日本ユースケースを含む scope、隔週月曜 17:00 AEDT 開催の明記)- TrustFrameworkAnalysis の 4 月分過去議事録のフォルダ移動
7 月 14 日に Dave Hyland(dphhyland)によりマージされた。本 PR を契機に、それまで雑然としていたリポジトリのディレクトリ構造が整理され、後続月(8 月以降)の議事録は最初から minutes/ または TrustFrameworkAnalysis/minutes/ 配下に直接 commit される運用に切り替わった。技術仕様の議論ではなく、コミュニティ運営インフラ(議事録アーカイブ)の整備が GitHub 上で行われた典型的な月にあたる。
7 月以降も、リポジトリは議事録のアーカイブ先として運用されており、技術仕様議論は発生していない。Issue / discussion 形式の議論は引き続きゼロで、議論はすべて Zoom・Slack(参加要件の整理が進行中)・HackMD・ML の組み合わせで行われている。
6. 関連イベント
Innovation Day - Identity Through Life(2025-08-15、Sydney 開催予定)
7 月 28 日メイン会合で準備状況が共有された。当初は age assurance 単独イベントとして企画されていたが、本会合でテーマを「identity through life」に拡張する判断が確定し、age assurance、estate planning、delegation、end of life の 4 領域を扱うラウンドテーブル形式に変更された。会場は Deloitte Sydney(50 Bridge St)、最大参加人数 45 名、keynote speaker は 7 月末時点で未確定。後の 8 月 11 日メイン会合で「英国議会の関連レポート公開待ちのため、Ian Corby と Tony Allen の参加が確定するまで延期」が報告されることになる、本イベント計画の起点となる議論が 7 月のメイン会合で行われた。
OIX / SIDI Hub 連携(7 月 21 日 TFA Q&A セッション)
ADT CG は OIX(Open Identity Exchange)および OIDF が SIDI Hub と共同で進めるグローバルトラストフレームワーク比較分析と連携を強化した月。Nick Mothershaw(OIX)と Elizabeth Garber(OIDF)が 7 月 21 日 TFA 会合に参加し、SIDI Hub 比較ツール(11 グローバルフレームワーク対比スプレッドシート)の Q&A を実施。ADT CG は同ツールを基盤として AGDIS / NZ DISTF / Connect ID / TDIF 等のオセアニアフレームワークを補強する役割を引き受ける方向に整理された。
Department of Finance(オーストラリア財務省)との対話
7 月 28 日メイン会合で Brad Carr が「Department of Finance との対話を継続中」と報告。具体的な合意・公表事項はないものの、後の月(8 月 4 日 TFA で Victoria が報告する「verifiable credentials policy hypotheses が政府から ADT CG 向けに 8 月末に提示される」)への伏線となる対話が 7 月時点で進行していたことが確認できる。
7. 今後の予定(2025 年 7 月末時点の視点)
- 8 月 4 日 TFA サブグループ会合: 7 月 21 日会合で次回として確定。OIX/SIDI 分析ツールの ADT 拡張作業(AGDIS / NZ カラム補強)を本格化
- 8 月 11 日メイン会合: 7 月 28 日会合で次回として通知(隔週スケジュール)
- 8 月 12 日 Digital Identity New Zealand サミット(Wellington): NZ 国内のデジタルトラストを扱う年次イベント
- 8 月 15 日 Innovation Day(Sydney): 「identity through life」テーマで開催予定。最大 45 名のラウンドテーブル形式
- 9 月 4 日 Digital Financial Services Summit: ADT CG メンバーの参加対象として 7 月 28 日メイン会合で共有
- OIX/SIDI 分析ツールの ADT 採用: Dave が Elizabeth から full version を取得済み。Victoria による review、layered picture(policy/scheme/specification の階層整理)作成が次月以降の宿題
- Slack 参加要件の整理: OIDF Slack への ADT メンバー参加に participation agreement 署名を要しない方針が 7 月 28 日に確定。具体的な channel 整備は次月以降
- Customer advocate のコンタクト: Kate が Meg Dalling にフォロー予定
8. 参考情報源
- Australian Digital Trust Community Group - OpenID Foundation — CG 公式ページ、共同議長 5 名・隔週月曜定例
- openid/cg-australian-digital-trust (GitHub) — 議事録・ドキュメントリポジトリ
- TrustFrameworkAnalysis/minutes/2025-07-07.md — 7 月 7 日 TFA サブグループ議事録
- TrustFrameworkAnalysis/minutes/2025-7-21.md — 7 月 21 日 TFA サブグループ議事録(Nick Mothershaw・Elizabeth Garber Q&A)
- HackMD: 7 月 28 日メイン会合議事録 — Olaf Grewe が ML に共有した HackMD 議事録
- HackMD: 7 月 21 日 TFA アジェンダ — Dave Hyland が ML で共有
- openid/cg-australian-digital-trust#6 — 7 月 14 日マージのリポジトリ構造刷新 PR
- TrustFrameworkAnalysis/README.md — PR #6 で追加された subgroup README(対比対象フレームワーク・スコープ明記)
- openid-au-digital-trust ML アーカイブ — ML 親インデックス(週次形式)
- Week-of-Mon-20250707 — 7 月 7 日週 ML(1 件、Dave Hyland)
- Week-of-Mon-20250714 — 7 月 14 日週 ML(1 件、Dave Hyland)
- Week-of-Mon-20250728 — 7 月 28 日週 ML(1 件、Olaf Grewe)
- 2025 年 8 月レポート — 翌月の続報(Productivity Commission Interim Report 公表後の応答準備など)