Skip to content

OpenID Foundation iGov WG 活動レポート (2025年11月)

本稿は iGov WG の 2025 年 11 月の活動を遡及的にまとめたものである(執筆日: 2026-04-24)。

1. 概要

iGov WG(International Government Assurance Working Group)は、公共部門における OpenID Connect / OAuth 2.0 の適用に向けたセキュリティ・プライバシープロファイルを策定するワーキンググループである。議長は John Bradley(Yubico)が務め、4 週間ごとの火曜日(太平洋時間午前 8 時)に定例ミーティングを開催している。

2025 年 11 月は、iGov WG のメーリングリストへの公開投稿が確認されない静かな月であった。この時期は 2025 年 9 月頃に公開された Draft 08 と、2025 年 12 月 18 日に公開された Draft 09 の間にあたり、暗号化要件の改訂・量子耐性対応の統合といった Draft 09 の内容が内部で準備されていた時期と推定されるが、その議論過程は公開されていない。Draft 09 は 12 月 18 日に公開され、同日 Tom Clancy より Implementers Draft 審査プロセスへの移行に向けた WGLC が開始された。

2. 公開された仕様・ドラフト改訂

2025 年 11 月中に新たに公開された仕様ドラフトは確認されなかった。

参考として、当月を挟む前後のドラフト改訂状況を示す。

  • Draft 08(2025 年 9 月頃): FAPI との整合強化、セキュリティ緩和策の更新
  • Draft 09(2025 年 12 月 18 日公開): 暗号アジリティの強調・FAPI 整合、量子耐性対応指針(NIST 参照・ECDHE-MLKEM ドラフト追加)、RS256 要件の削除と PS256 への移行

Draft 09 の変更規模から、11 月中は暗号化要件の整理と量子耐性対応に向けた仕様作業が内部で進行していたと推定されるが、公開された記録は確認できなかった。

3. 公開記録の確認結果

iGov WG はメーリングリスト(openid-specs-igov)および GitHub(openid/iGov)が主要な公開情報源であるが、以下のとおり確認の結果、2025 年 11 月に相当する公開記録は存在しなかった。

メーリングリスト

https://lists.openid.net/pipermail/openid-specs-igov/ のアーカイブインデックスを確認したところ、2025 年の投稿は 1〜5 月・10 月・12 月の週別アーカイブに記録されており、11 月に相当する週別アーカイブは存在しない。10 月 9 日の投稿(差出人: Mike Leszcz)は OpenID Foundation の Notes & Recordings Policy 変更に関する事務連絡であり、iGov 固有の技術的議論ではなかった。12 月 18 日には Tom Clancy より WGLC が開始され、iGov OAuth 2.0 プロファイルの Implementers Draft 審査プロセスへの移行に向けた WG 合意を求める投稿があった(この WGLC は 2026 年 1 月 12 日開始予定で提示された)。

ミーティング議事録

iGov WG の議事録は非公開(non-public)であり、本調査での取得は不可能であった。定例コールは 4 週間ごとに開催されているため、11 月にも 1 回程度の会合が行われた可能性があるが、内容の確認はできない。

GitHub

github.com/openid/iGov リポジトリにおける 2025 年 11 月の issue・PR 活動は、API 経由では確認できなかった。仕様のソースは主に Bitbucket(bitbucket.org/openid/igov/)で管理されており、公開されているコミット履歴等からも 11 月固有の活動記録は抽出できなかった。

4. 関連イベント

2025 年 11 月の iGov WG に直接関連するイベントの公開記録は確認できなかった。

なお、同時期のより広いコンテキストとして、IETF 124 が 2025 年 11 月 1〜7 日にモントリオールで開催されており、TLS WG では draft-ietf-tls-ecdhe-mlkem(2025 年 11 月 23 日付け版)が公開されている。Draft 09 でこのドラフトへの参照が追加されていることから、iGov WG が IETF の量子耐性 TLS 動向を注視していたことがうかがえる。

5. 今後の予定

2025 年 11 月末時点での見通し(当時の視点):

  • Draft 09 の完成・公開(2025 年 12 月を目処)
  • 暗号化要件(暗号アジリティ・量子耐性対応)の最終調整
  • iGov for OpenID Connect 1.0(Draft 04 止まり)の改訂検討

6. 参考情報源