Skip to content

OpenID Foundation R&E WG 活動レポート (2025年12月)

執筆日: 2026-04-22(遡及執筆)

1. 概要

R&E WG(Research and Education Working Group)は、研究・教育(R&E)セクターにおける OpenID Connect の採用を促進するため、OpenID Connect プロファイル・R&E 固有のクレームおよびスコープ・エンティティメタデータ拡張を策定することを目的とした OpenID Foundation のワーキンググループである。WG 議長は Davide Vaghetti(GARR)が務める。

2025年12月は、R&E WG のメーリングリスト(openid-specs-rande)・会議議事録・公式 GitHub のいずれにも公開された活動記録が確認できなかった。議事録は非公開(non-public)であり、公式 GitHub リポジトリも存在しない。

ただし同月最大のトピックとして、R&E WG が技術基盤として依拠する OpenID Federation 1.0 の最終仕様候補パブリックレビューが 2025年12月4日 に開始された。60日間のレビュー期間(2025年12月4日〜2026年2月2日)に入ったことで、R&E コミュニティを含む OIDF 参加者全体がレビューに注目が集まった時期である。


2. 公開された仕様・ドラフト改訂

OpenID Federation 1.0 最終仕様パブリックレビュー開始(2025年12月4日)

R&E WG の技術的土台である OpenID Federation 1.0 の最終仕様候補パブリックレビューが2025年12月4日に開始された。

  • 公開ドラフト: ドラフト -46(2025年12月4日付け、前版 -45 は11月20日)
  • レビュー期間: 2025年12月4日〜2026年2月2日(60日間)
  • 投票期間(予定): 2026年2月3日〜17日(2週間)
  • エディタ: Roland Hedberg(independent)、Mike Jones(Self-Issued Consulting)、Andreas Åkre Solberg(Sikt)、John Bradley(Yubico)、Giuseppe De Marco(independent)、Vladimir Dzhuvinov(Connect2id)

OpenID Federation は、SAML フェデレーションの後継基盤として R&E セクターが強い関心を持つ仕様であり、GÉANT・EduGAIN などの国際研究教育ネットワークとの連携においても注目される。特に R&E WG 議長の Davide Vaghetti(GARR)はエコシステムへの主要な貢献者として知られる。本レビュー期間中に提出されたコミュニティフィードバックは後にドラフト -47(2026年1月20日公開)へ反映された。

フィードバックを提出するには OIDF の知的財産権同意書(openid.net/intellectual-property/、「AB/Connect」を指定)への署名と AB/Connect WG メーリングリストへの参加が必要とされた。

R&E WG 固有の仕様

2025年12月時点で、R&E WG チャーターが定める成果物(R&E セクター向け OpenID Connect プロファイル・R&E 固有クレームおよびスコープ定義・エンティティメタデータ拡張)はいずれも公開ドラフト段階に達しておらず、OpenID Foundation の仕様一覧ページには「None yet.」と記載されたままであった。


3. ミーティングと議論

R&E WG の会議議事録は非公開(non-public)であり、2025年12月の定例コール内容を公開記録から確認することはできなかった。

メーリングリスト(openid-specs-rande)および関連 GitHub にも対象月の議論記録は公開されていない。12月の WG 活動の主な関心は、開始されたばかりの OpenID Federation 1.0 最終仕様パブリックレビューへの参加(フィードバック検討・提出)にあったと考えられる。


4. メーリングリストの主要スレッド

openid-specs-rande メーリングリストのアーカイブを確認した結果、2025年12月のスレッドは存在しなかった。

ピーパーメールのトップレベルインデックス(https://lists.openid.net/pipermail/openid-specs-rande/)を確認したところ、確認できる最新アーカイブ月は 2025年6月 であり、2025年7月以降の月次アーカイブは存在しない。2025年6月の最終メッセージはブラジルの学生 Eduardo Perottoni による OpenID4RE および SAML–OpenID Connect マッピングのホワイトペーパー現状確認の問い合わせであり、返信は確認されなかった。

R&E WG は歴史的にメーリングリストの活動が極めて限定的であり、実質的な技術議論は非公開の定例コールおよび REFEDS・GÉANT 等の関連コミュニティとの連携を通じて行われているとみられる。


5. GitHub 上の議論

R&E WG の公式 GitHub リポジトリは存在しないか非公開であり(WG ページでも公開リポジトリは示されていない)、対象月の Issue・PR は確認できなかった。

R&E 関連の周辺 GitHub 活動として、GÉANT が管理する GEANT/edugain-openidfed(OpenID Federation を活用した EduGAIN 向けトラストモデル文書群)を確認したが、2025年12月の新規 Issue・PR・コミットはいずれも確認されなかった。同リポジトリの最後のコミットは 2025年3月3日(README 更新の PR #6 マージ)であり、直近のオープン Issue は2025年6月9日付けの一般的な問い合わせ(Issue #7)のみである。

REFEDS OIDCre グループに関連する以下のリポジトリも確認したが、2025年12月の活動は確認されなかった。


6. 関連イベント

OIDF コミュニティ代表理事選挙(2025年12月8日〜)

2025年12月8日に2026年度 OpenID Foundation コミュニティ代表理事の候補受付が開始された(締め切り12月26日)。選挙は12月29日〜2026年1月12日に実施。George Fletcher と Mike Jones の任期満了に伴う2議席が対象。R&E WG ならびに OpenID Federation の観点で重要な Mike Jones(Self-Issued Consulting、OpenID Federation エディタ)が立候補し、最終的に2026年1月13日に再選が発表された。

OpenID4VC High Assurance Interoperability Profile 1.0 最終仕様承認(2025年12月29日)

DCP WG が推進する OpenID for Verifiable Credentials High Assurance Interoperability Profile(HAIP)1.0 が2025年12月29日に最終仕様として承認された。

  • 投票期間: 2025年12月9日〜23日
  • 結果: 賛成 87 票 / 反対 1 票 / 棄権 19 票(合計 107 票、参加率 24.7%、定足数 20% 超過)

R&E WG が直接関与する仕様ではないが、OpenID Federation を共通基盤とするエコシステムの整備という文脈で参照される。

G20 TechSprint への参加(2025年12月5日)

OIDF エグゼクティブディレクターの Gail Hodges が2025年G20 TechSprint(南アフリカ準備銀行・BIS Innovation Hub 主催、30カ国以上から165チーム以上)のデジタルアイデンティティ部門の審査員を務め、デジタルアイデンティティ標準に関する基調講演も行った。

Authorization API 1.0 投票開始(2025年12月23日)

AuthZEN WG の Authorization API 1.0 最終仕様承認投票が2025年12月23日〜2026年1月6日の期間で開始された。


7. 今後の予定

2025年12月末時点で、R&E コミュニティが注視していた次月以降の動向は以下のとおりである。

  • OpenID Federation 1.0 パブリックレビュー継続(2026年2月2日まで)および承認投票(2026年2月3日〜17日予定)
  • TIIME 2026(Trust and Internet Identity Meeting Europe)アンカンファレンス(2026年2月9〜13日、アムステルダム Nikhef 開催)— Davide Vaghetti(R&E WG 議長、GARR)と Niels van Dijk(SURFnet)が主催する OpenID Federation インターオプイベントが2月13日に予定
  • GÉANT・REFEDS エコシステムにおける OpenID Federation 採用検討の継続

8. 参考情報源