Skip to content

OpenID Foundation R&E WG 活動レポート (2026年1月)

執筆日: 2026-04-20(遡及執筆)

1. 概要

R&E WG(Research and Education Working Group)は、研究・教育(R&E)セクターにおける OpenID Connect の採用を促進するため、OpenID Connect プロファイル・R&E 固有のクレーム・スコープ・エンティティメタデータ拡張を策定することを目的とした OpenID Foundation のワーキンググループである。WG 議長は Davide Vaghetti(GARR)が務める。

2026年1月は、R&E WG のメーリングリスト(openid-specs-rande)・会議議事録・公式 GitHub のいずれにも公開された活動記録が確認できなかった。ただし同月は、R&E WG が依拠する基盤仕様 OpenID Federation 1.0 のパブリックレビュー終盤(期間: 2025年12月4日〜2026年2月2日)にあたり、コミュニティの関心がレビューに集中していた時期である。

また1月2日にはエディタの Mike Jones が OpenID Federation 仕様をプロトコル非依存部分とプロトコル依存部分に分割した 1.1 系エディタ草案 を公開し、翌週の1月20日には OpenID Federation 1.0 最終仕様承認投票の予告が発出された。さらに同日、レビュー期間中に寄せられたフィードバックを反映したドラフト -47 も公開されており、最終仕様化に向けた作業が佳境を迎えていた。


2. 公開された仕様・ドラフト改訂

OpenID Federation 1.0 最終仕様パブリックレビュー(継続中)

R&E WG の技術基盤である OpenID Federation 1.0 の最終仕様パブリックレビューが継続中であった。

  • レビュー期間: 2025年12月4日〜2026年2月2日(60日間)
  • 投票期間(予告): 2026年2月3日〜17日(2週間)
  • 承認投票予告発出日: 2026年1月20日

ドラフト -47 の公開(2026年1月20日)

60日間のレビュー期間中に寄せられたコミュニティフィードバックを反映したドラフト -47 が1月20日に公開された。主な変更点は以下のとおり。

  • JWT の crit(Critical)クレームの使用方法に関する説明の追加
  • 節名・図名の表記統一
  • プロトコル非依存の記述とプロトコル依存の記述の分離整理(1.1 系への分割作業との連動)
  • Trust Chain 検証サンプルの修正
  • Trust Mark Delegation における任意の有効期限クレームの検証ロジック修正
  • 参照の一貫性向上(1.1 系エディタ草案への情報的参照を追加)

OpenID Federation 1.1 エディタ草案の公開(2026年1月2日)

Mike Jones が OpenID Federation 1.1 エディタ草案2文書を公開した(自ブログ投稿)。

文書内容
OpenID Federation 1.1プロトコル非依存部分(信頼チェーン・エンティティステートメント・Trust Mark 等)
OpenID Federation for OpenID Connect 1.1プロトコル依存部分(OpenID Connect および OAuth 2.0 向けのプロトコル固有機能)

分割の経緯: 実装者およびワーキンググループメンバーからの要望を受けて、1.0 に存在する二種類の機能—プロトコル非依存の仕組みと OpenID Connect 固有のプロファイル—を別文書に分割した。機能の追加・削除はなく、再構成のみである。分割作業中に行われた精査により、1.0 ドラフト -47 への改善点も洗い出された。

この分割は R&E セクターにとっても重要な意味を持つ。OpenID Federation を SAML フェデレーションの後継基盤として活用しつつ、将来的には OpenID4VC 等の別プロトコルとも組み合わせやすくなるためである。

R&E WG 固有の仕様

2026年1月時点で、R&E WG チャーターが定める成果物(OpenID Connect プロファイル・R&E 固有クレーム・エンティティメタデータ拡張)はいずれも Draft 段階に達しておらず、OpenID Foundation の仕様ページには「None yet.」と記載されたままであった。


3. ミーティングと議論

R&E WG の会議議事録は非公開(non-public)であり、2026年1月の定例コール内容を公開記録から確認することはできなかった。

メーリングリスト(openid-specs-rande)および公式 GitHub にも対象月の議論記録が公開されていない。1月の WG 活動の主な関心事は、OpenID Federation 1.0 最終仕様パブリックレビューへの参加(フィードバック提出・ドラフト -47 への反映確認)であったと考えられる。


4. メーリングリストの主要スレッド

openid-specs-rande メーリングリストのアーカイブを確認した結果、2026年1月の投稿は確認できなかった。

ピーパーメールのインデックス(https://lists.openid.net/pipermail/openid-specs-rande/)を確認したところ、2026年のアーカイブ月は存在しない。確認できる直近のアーカイブは 2025年6月 であり、2024年は January および October のみ、2023年以前は散発的な投稿のみ存在した。

R&E WG は歴史的にメーリングリストの活動が極めて限定的なワーキンググループであり、主要な議論は定例コール(非公開)および REFEDS・GÉANT 等の関連コミュニティとの連携を通じて行われている。


5. GitHub 上の議論

R&E WG の公式 GitHub リポジトリは存在しないか非公開であり(SKILL.md レジストリでも「公開リポジトリは確認できず」とされている)、対象月の Issue・PR は確認できなかった。

R&E 関連の GitHub 活動として、REFEDS OIDCre グループに以下のリポジトリが存在する。ただし2026年1月の新規 Issue・PR は確認できなかった。


6. 関連イベント

OpenID Foundation 理事会選挙結果(2026年1月13日発表)

2026年1月13日、OpenID Foundation 2026年理事会選挙の結果が発表された。

カテゴリ当選者任期
Corporate Representative(1席)Mark Verstege(再選)1年
Community Representative(2席)Mike Jones(再選)、Dima Postnikov(新任)2年

Mike Jones(Microsoft)の再選は R&E および OpenID Federation コミュニティにとって重要で、Jones は OpenID Federation 仕様のエディタを長年務めており、1.1 系分割草案の主著者でもある。Dima Postnikov は副議長就任を表明した。

なお George Fletcher は再選されず、長年の理事職を退いた。

OpenID Connect Relying Party Metadata Choices 1.0 パブリックレビュー開始(2026年1月9日)

AB/Connect WG から提案された OpenID Connect Relying Party Metadata Choices 1.0 の最終仕様候補パブリックレビューが開始された(期間: 2026年1月9日〜3月10日、60日間)。R&E WG チャーターが直接対象とする仕様ではないが、OpenID Connect プロファイル策定の文脈で参照される可能性がある。


7. 今後の予定

2026年1月末時点で、R&E コミュニティが注視していた次月以降の動向は以下のとおりである。

  • OpenID Federation 1.0 パブリックレビュー終了(2026年2月2日)および承認投票(2月3日〜17日)
  • TIIME 2026(Trust and Internet Identity Meeting Europe)アンカンファレンス開催(2026年2月9〜13日、アムステルダム)— R&E コミュニティの年次交流の場
  • OpenID Federation 1.1 エディタ草案へのコミュニティフィードバック収集継続
  • REFEDS OIDCre グループにおける SAML-OIDC マッピング BCP の継続作業

8. 参考情報源