Skip to content

OpenID Foundation DADE CG 活動レポート (2025年12月)

執筆日: 2026-04-20 本記事は Death and the Digital Estate Community Group (DADE CG) の 2025 年 12 月の活動を遡及的にまとめたレポートです。

1. 概要

Death and the Digital Estate CG(DADE CG)は、デジタル資産・デジタル遺産の管理と継承に関する標準化を推進する OpenID Foundation のコミュニティグループである。Dean H. Saxe、Eve Maler(Venn Factory)、Mike Kiser(SailPoint)の 3 名が共同 Chair を務める。

2025 年 12 月は、DADE CG にとって年末の閑散期にあたり、GitHub コミットゼロ・公開ミーティング議事録なしという低活動の月となった。公開記録として確認できたのは、Dean H. Saxe が 12 月 10 日にメーリングリストに投稿した 1 通のみである。この投稿は 2025 年の活動を総括し、2026 年に向けた 2 つの戦略的優先事項—「ユースケース・プライバシー要件の整備」と「WG チャーター化」—を提示したものであり、翌 2026 年 1 月からの本格的な活動再開への布石となった。

2. 公開された仕様・ドラフト改訂

2025 年 12 月に DADE CG が公開した仕様・ドラフト・OIDF ブログ記事は確認できなかった。

なお、2025 年 9 月 24 日〜10 月 24 日に白書「The Unfinished Digital Estate: Culture, Law, and Technology After Death」のパブリックコメント期間が実施されており、12 月時点ではスポンサー確認を経た最終版の公開準備が進んでいた(最終公開は 2026 年 3 月 3 日)。

3. ミーティングと議論

11 月 12 日の定例コールにおいて、次回ミーティングは 12 月 10 日(金)07:00 PST に予定されていた。しかし、GitHub wiki の Meetings ページには 12 月 10 日分のミーティング議事録エントリが存在せず、議事録は公開されていない。

同日(12 月 10 日)に Dean H. Saxe がメーリングリストへ「DADE CG: Planning for 2026」を投稿していることから、ミーティング開催の有無にかかわらず、年末の活動計画についての議論は主にこのメール(後述 §4 参照)を通じて行われたと考えられる。

12 月 24 日が次の隔週サイクルにあたるが、これも議事録が存在しないため、クリスマス前週はコールがキャンセルもしくは非公開で実施されたと見られる。

4. メーリングリストの主要スレッド

DADE CG: Planning for 2026 — 2025-12-10 開始

投稿者: Dean H. Saxe(共同 Chair)

この投稿は DADE CG の公開メーリングリスト openid-digital-directives への 12 月唯一のメッセージであり、グループメンバー全員に向けた年間総括・計画共有の性格を持つ。

2025 年の主な成果

Dean は 2025 年の活動を以下のように総括した:

  • 多様なステークホルダーをデジタル遺産問題の議論に結集させた
  • 技術がすでに亡くなった方とその遺族に与える影響を包括的に調査した
  • デジタル遺産計画に関するベストプラクティス文書を公開した
  • 白書(パブリックプレビュー版)を公開し、業界全体の関心を喚起した
  • アイデンティティ・標準化コミュニティにおけるデジタル遺産の議論を先導した

2026 年の戦略的優先事項

Dean は 2026 年の取り組みとして 2 つの柱を示した:

  1. ユースケース・プライバシー要件の整備: 将来の DADE プロトコル候補のために、初期ユースケースとプライバシー仕様を策定する
  2. ワーキンググループ チャーター化: 現行の CG は OpenID Foundation のルール上プロトコルを策定する権限を持たないため、正式な DADE WG のチャーターを作成し、プロトコル開発の土台を整備する

CG/WG の組織構造に関する問いかけ

Dean は移行後の組織設計について、メンバーに率直な問いを投げかけた:

  • WG 発足後も CG を独立して存続させるべきか
  • 将来のプロトコル重点作業はどのように組織化すべきか
  • CG の活動を将来の WG に統合できるか

Dean は暫定的な提案として、一部のミーティングを CG 向けの概念的な議論に充て、大半のミーティングをプロトコルレベルの作業に集中させるフォーマットを示した。この問いかけは 1 月以降のミーティングで継続的な議題となった。

5. GitHub 上の議論

2025 年 12 月の openid/death-and-the-digital-estate リポジトリでは、新規 issue の作成・既存 issue へのコメント・PR のマージのいずれも確認できなかった(GitHub の検索クエリ is:issue created:2025-12-01..2025-12-31is:pr merged:2025-12-01..2025-12-31 結果ゼロ)。

なお、直近の GitHub 活動としては 2025 年 8 月の Issue #42 開設があり、リポジトリは比較的低頻度な利用状態が続いていた。

6. 関連イベント

2025 年 12 月に DADE CG として登壇・出席した対外イベントは確認できなかった。

10 月 31 日の定例コールでは、IIW での議論(死亡証明書のデジタルクレデンシャル化、AI エージェントへの死後委任等)の報告が行われており、12 月はこれら議題の引き続き検討期間にあたる。

7. 今後の予定

2025 年 12 月末時点での見通し(Dean の 12 月 10 日メールに基づく):

  • 2026 年 1 月以降の定例コール再開: 12 月 10 日メールの問いかけを受け、CG と WG の組織構造・役割分担の議論を開始する
  • ユースケース・要件収集: 白書から抽出した要件を GitHub 上で文書化し、プロトコル要件定義の基盤を整備する
  • WG チャーター草案の策定: 4 月末の OIDF 理事会への提案を目標に、Dean が 1 月中にチャーター起草を開始する予定
  • 白書の最終公開: スポンサー確認完了後に最終版を公開(2026 年 3 月初旬を見込む)

8. 参考情報源